コンテンツにスキップ

固定資産評価基準の概要

条文・通達の概要

  • 対象条文: 地方税法第388条第1項
  • 法令区分: 評価基準(総務大臣告示)
  • 趣旨: 固定資産の価格(適正な時価)を全国統一的な基準で算定するための評価方法を定める

現行規定の施行日はフロントマターの effective_date で管理する。

現行規定の要点

根拠法令

  • 地方税法第388条第1項に基づき、総務大臣が「固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続」を定めたもの
  • 市町村長は、この評価基準によって固定資産の価格を決定しなければならない(地方税法第403条第1項)
  • 固定資産評価員は、この評価基準に基づいて固定資産の評価を行う

法的性格

  • 総務大臣が定める告示(昭和38年自治省告示第158号)
  • 法規としての拘束力を有し、市町村はこの基準に従う義務がある
  • 最高裁判例(平成15年6月26日)により、評価基準に従った評価は「適正な時価」を上回らない限り適法と判示されている

基本原則

  • 適正な時価: 固定資産税における「価格」とは「適正な時価」をいう(地方税法第341条第5号)
  • 全国統一基準: 全国の市町村が同一の基準で評価を行うことにより、評価の均衡を確保する
  • 基準年度評価替え: 3年ごとの基準年度に評価替えを行い、据置年度は原則として価格を据え置く(地方税法第349条)

構成

対象 主な内容
第1章 土地 地目別評価方法(宅地・田・畑・山林等)、画地計算法、路線価方式・標準地比準方式
第2章 家屋 再建築費方式による評価、木造・非木造の区分、経年減点補正
第3章 償却資産 取得価額を基礎とした減価償却方式による評価

評価替えの仕組み

  • 基準年度(3年ごと)にすべての土地・家屋の価格を見直す
  • 直近の基準年度は令和6年度(次回は令和9年度)
  • 据置年度(第二年度・第三年度)は原則として基準年度の価格を据え置く
  • ただし、地目変更・家屋の新増築・滅失等の場合は据置年度でも価格を修正する
  • 償却資産は毎年度評価を行う(評価替えの対象外)

評価額と課税標準額の関係

flowchart LR
    A[固定資産評価基準に基づく評価] --> B[評価額の算出]
    B --> C[価格の決定・台帳登録]
    C --> D{特例措置の適用}
    D -->|住宅用地特例等| E[課税標準額の算出]
    D -->|特例なし| F[評価額 = 課税標準額]
    E --> G[税額の算出]
    F --> G
    G --> H[納税通知書の送付]
  • 評価基準により算出された評価額がそのまま課税標準額となるのが原則
  • 住宅用地の特例、負担調整措置、課税標準の特例等により、課税標準額は評価額と異なる場合がある

解釈メモ

  • 評価基準は告示であるが、地方税法が直接引用しているため法規としての効力を持つ。市町村が独自の基準で評価することは認められない
  • 「適正な時価」の解釈について、最高裁は「正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値」としている
  • 評価基準に定める評価方法に従った評価であっても、その結果が「適正な時価」を超える場合は違法となりうる(最高裁平成25年7月12日判決)

実務への影響

  • すべての評価事務の基礎: 土地・家屋・償却資産の評価はすべてこの基準に基づく
  • 審査申出への対応: 評価基準に適合しているかが審査の主要な論点となる
  • 評価替え年度の事務量: 基準年度は全件の評価見直しが必要となり、事務量が大幅に増加する
  • 関連する業務プロセス: 賦課業務(docs/levy/)、統計(docs/statistics/)に直結する

改正履歴

新しい改正を上に追記する(降順)。改正があった場合、「現行規定の要点」を 最新の内容に更新し、旧規定はこの改正履歴セクションに保存する。

令和6基準年度改正(施行日: 2024-01-01)

  • 改正法令: 令和5年総務省告示第319号
  • 改正の趣旨: 令和6基準年度の評価替えに対応するための改正
  • 主な改正内容:
  • 家屋の再建築費評点基準表の改正(建築資材費・労務費の変動を反映)
  • 経年減点補正率の見直し
  • 在来分家屋の再建築費評点補正率の設定
  • 経過措置: 令和5年度以前に決定された価格に係る経過措置あり

平成6年度評価替え改正(施行日: 1994-01-01)

  • 改正の趣旨: 土地の評価において、宅地の評価額を地価公示価格等の7割を目途に均衡化を図る方針を導入
  • 主な改正内容:
  • 宅地の評価水準を地価公示価格等の7割程度に統一(いわゆる「7割評価」)
  • これに伴う負担調整措置の導入
  • 経過措置: 急激な税負担の増加を緩和するための負担調整措置(現在も継続中)

制定(施行日: 1963-12-25)

  • 制定法令・通達番号: 昭和38年自治省告示第158号
  • 制定の趣旨: 固定資産の評価に関する全国統一基準を整備し、市町村間の評価の均衡を確保するため

出典・参考

  • 地方税法 第341条第5号(価格の定義)
  • 地方税法 第388条第1項(固定資産評価基準の設定)
  • 地方税法 第403条第1項(評価基準による評価の義務)
  • 固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)
  • 最高裁平成15年6月26日判決(固定資産評価基準の法的拘束力)
  • 最高裁平成25年7月12日判決(適正な時価を超える場合の違法性)
  • 総務省「固定資産税務提要」